Si-Rの「マルチTA」機能について

富士通の業務用IPアクセスルーター「Si-R」シリーズ(昔はNetVehicleという機種だったものと同じかな?)についてのメモ。

Si-Rには、「マルチTA」という機能がある。平たく言うと、LAN上にあるSi-RをWindowsからダイヤルアップアダプタとして利用できるような機能。

最近、業務用Windwosサーバーは徐々にWindows 2000 Server、Windows Server 2003などから、Windows Server 2008に移行している。業務アプリの互換上、W2kをVMWareやHyperVなどの仮想環境に移行したりするケースも多いが、モデムやTAなどのRS-232Cのハードウェアを使用するアプリがあると、仮想化できない事情などがある。しかし、モデムやTAの製造・販売メーカーは2003,2008用のドライバを提供していないケースが多く、ダイヤルアップしようと思うとなかなか難しい所だ。

そういった事情で、OSに依存せずに使用できるISDNダイヤルアップルーターが重宝するワケだが、Si-Rの「マルチTA」機能はおそらくWindows Server 2008では使えなそうです。製品ページの注意書き(引用元リンク)を引用すると、こうだ。

マルチTA機能使用時の留意点

マルチTA機能について

マルチTA機能はLAN上の端末から、Si-Rを擬似的なTAとして利用し、外部ネットワークと通信するための機能です。本機能により、「NATで利用できないアプリケーションの使用」、「IPX等のIP以外のプロトコル通信」などが実現可能です。

マルチTA機能使用時の留意点

Si-R30 / 30B / 130 / 130Bにおいて、Windows VISTAを使用してマルチTA機能を利用することは出来ません。
マルチTA機能を利用する場合は、Windows XPを使用願います。

マルチTA機能使用不可の理由

これはWindows VISTAのVPN接続仕様がWindows XP以前と異なっているためです。Windows XP以前では、「IPアドレス+電話番号」の情報がPCからSi-Rに対して送信されており、この情報からSi-Rでは、マルチTA機能を動作させることが可能でした。
しかし、Windows VISTAでは「IPアドレス+電話番号」をSi-Rに対して送信することが出来ないため、Si-RのマルチTA機能が動作不可になります。

ここにはWindows Server 2003について触れてはいないが、2003は2000のカーネルを引き継ぐOSなので利用できる。実際導入した実績もあり。

しかし、2008はVista世代のOSの為、マルチTAは使えないのではないだろうか?まだ裏を取っていないのでなんともいえないが、うっかり提案しちゃうとコワいので、ひとまずメモを残しておこうと思った次第です。

 

※外部接続先として同じ接続先に対し、複数の認証をつかって接続したい場合に「マルチTA」が役立ちそうだ。

※「マルチTA」だと、Windowsからはルーターである事を意識せずに使える。エンドユーザーが設定する際も説明不要。

※保守切れなどでサーバーリプレースなどが発生すると、「マルチTA」を使っている環境では上記のような事由で通信機器の再選定、再設定が必要になる。

 

以上ですが、この記事を見られた方で、間違いなどがあればコメントなどでご指摘いただけると幸いです。

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